2002.01.11. 板硝子業界新年御礼会


  関西板硝子卸商業組合(理事長・大供竹太郎氏)は去る一月十一日、大阪市中央区南船場のホテル・ドゥスポーツプラザ、二階ローズルームにおいて新年互礼会を催し、来賓に国内板ガラス三メーカー、国外のガーディアン・ジャパン代表を始め、全硝連近畿地区本部傘下の各地区協組理事長、関西板硝子工事協組、大阪府鏡工業協組の代表者らを招いて次のように盛大に開かれた。
 新年互礼会は、小孫福利厚生委員長の司会で十一時から始められ、主催者を代表して大供理事長があいさつ。来賓各位の紹介があり続いて来賓代表あいさつを旭硝子・硝子建材事業本部担当部長高田清知氏、全硝連近畿地区本部長南正助氏が述ぺ、関西板硝子工事協同組合理事長境紀世治氏の発声で祝杯をあげ懇親会に移り、午後一時頃、副理事長、村島靖一郎氏の中締めで無事終了した。
 なお、大供理事長及ぴ来賓各位のあいさつ要旨は次のようであった。

関西板硝子卸商業組合理事長 大供竹太郎氏
 二十一世紀の幕明けの年であった昨年は内外共に衝撃的な事件が多く起こりました。また一方、経済環境は需要低迷の進行で経営赤字、失業率増加と厳しい情況の中で年明けを迎えました。この厳しい状況をしっかり直視しなければならないが、悪い情況だけを並ぺたててさらに悪化を呼ぴ込むことは避けたい。むしろ明るい、良い事を積極的に探し求めるよう努めたい。
 私共、商業組合が設立して十七年、昨年暮れその前身である協同組合が五十周年を迎えました。五十年前といいますと、戦後の復興がやっと歩き始めた頃で当時板ガラスメーカーも二社で寡占体制下でファミリーな産業とさえいわれていた。このファミリーな環境の中で出荷を受けてきた訳で、その条件を意識するたぴに三位一体の秩序維持を大きな仕事の一つとして実施してきた。これがバブル崩壊と時を同じくしてアメリカとの貿易摩擦によって市場開放が行われ商慣行が大きく変りました。それから十年以来厳しい状況下でしたが、今までに蓄えられた潜在的な活力がこの年に発揮されてくると思います。幸いわれわれには他の建材と比ぺようのないすばらしい板ガラスという商品を持っています。板ガラスフォーラムでは消費者の目には未だ開拓されていない業界だという指摘がありました。従って未だ可能性を秘めている。競争に費やすエネルギーを格度の高い商品で新しい市場を生み出すアイデアの方向に進むことで未だ繁栄する業界という期待と実現に向けて皆様と共に努力して行きたいと思います。

旭硝子・硝子建材事業部西日本販売担当部長・高田清知氏(メーカー代表)
 今年も多分悪くなることはあれ良くなることは少ないと思っておられる方は多いと見ています。私はどうすれば良いか二つ考えた。一つは仕組みづくりです。先般あるヨット仲間の社長と話をしておりましたところ、今年になって印象に残ることは何か、と言われた。未だ今年に入って数日しか経っていないのにと思ったが、その人はユーロだと話された。ユーロというのはそれぞれの国が自分達のお金をつけて成し遂げた大人の仕組みづくりだと。多分そこにはいろいろな総意があって各論の部分で反対もあったと思います。各論の部分を捨て総意を成し遂げた大人の仕組みづくりであった。このような仕組みづくりを私達もやるべきではないでしょうか。例えば価格体系にしてもしかりです。一般ユーザから見て安いのか高いのか分かりにくい、この価格体系を一般ユーザーの納得できる仕組みづくりにやるぺきではないか。
 もう一つは使命感です。旭硝子の創業者で岩崎俊弥氏がある言葉を残しております。事業達成は使命感にあり、事業成功の鍵は使命感にありという言葉です。まさしくこの使命を達成させるのが今年ではないでしょうか。板ガラスにはいろんな機能があります。防犯、断熱など本当に私共が一般の人達に知らせ、使っていただくという使命感を成し遂げればすばらしい未来が待っていると思います。

全硝連近畿地区本部長南正助氏(大硝協理事長)
 二〇〇一年は本当に厳しい年で何かギシギシした世の中だという感じを持った年でした。今年はどうなるか、見通しは立てられません。板ガラス業界は時期が解決する間題ではないと思います。ではどうすれば良いか、ということですが、私なりに考えたことを大硝協で提案させて頂きました。今まで私達の業界はゼネコン、工務店、アッセンブリメー力ー並ぴに商社の下請け方式として骨のずいまで滲み通っている訳です。優秀な若い人を入れようとしても工事が付いてまわるだけに汚い、きつい、危険がともなうということから異業種の方へ転出してしまう。だから営業が大事なのだ。メーカーが良い商品を開発されているにもかかわらずよう売らない。今まで、この業界に営業専門に行っている人を見てブローカーということで軽視した場合もあった。しかし振り返ってみると営業だけしっかりソロバン勘定を行い商品知識を身につけておられる所は、しっかり利益をあげている。やはり、これからそういうことは必要ではないか。メーカーが防犯ガラスをつくれば鍵屋に取られる。一級二級技能士の養成も大切だが、営業のできる販売士の教育もやろうと提案しております。このようなことを皆様から知恵を借りて実現できれば、限られたパイだけでなく、もっと外の部分に進出できるアイデアが出てくると思います。