2005.04.27. 総 会


 関西板硝子卸商業組合(濱田陽右理事長)は四月二十七日、通常総会開催後に講演会を開いた。講師は『ガラス建築 光と熱と快適環境の知識』(日本建築学会発刊)の著者で昭和女子大学大学院教授の佐野武仁氏。小山保和総務教育委員長は「ガラスの機能化が進んできたが、今この流れをわれわれのものにできるかのターニングポイントにある」とあいさつした。
 佐野講師は「ガラス建築が注目されており、設計者は建物にガラスを多く使いたがっている。理由として室内と室外の明るい一体感が求められ、木、石、木材とともに自然、もしくは自然に近い素材が好まれている。そして耐久性があり劣化しない。これら条件を満たす素材がガラスであり、ガラスに代わる材料はない。実勢価格としての値段が安くなっているのも追い風になっている」と述べた。建物と熱環境、光環境の調整、省エネルギーが三位一体となったものがガラス建築物で、今後建物に占めるガラス面積はさらに増加する方向にあることを強調。ガラス特性の基本的知識から、建築学的に特徴あるガラス建物の施工例などを解説した。
 濱田陽右理事長 
 大阪協組の両理事長から「技能検定の手伝いをしていただけないか」との申し出がある。この問題は避けて通れないことなので、来年から何らかの形で協力しなければならない。大阪府警から板硝子協会を通して卸組合に要請があり、警察学校へ安全ガラスの講習会に訪れた。架台にサッシとガラスを組み込み、警察官に割り比べてもらった。その時の反響が良く、再度五月二十五日に講習してほしいとの依頼があるが、組合として協力していく。
 複層ガラスの普及は、十年前には関西では想像もできなかったこと。板硝子協会を中心にした根強いPR活動の成果だと感じている。
 篠原辰彦旭硝子板ガラスカンパニI販売グループ西日本第一販売チーム担当部長
 今までガラスを扱わなかった他業種の人たちがガラス業界に参入してきている。通常の複層ガラスは一般サッシメーカーも製造しており、完成品の窓として販売している。ガラスを切る能力はだんだん要らなくなってきた。サッシ寸法に合わせて発注すればサッシメーカーから完成品が届く時代になっている。ビルでも東京の大型物件ではガラスとサッシが完成品として海外から入ってきている。そうなると施工の手間だけになることも考えられる。各社が優れた機能、提案力を総合的に伸ばし、それらを発揮させることが大事だ。 複層ガラスも三_十六_十三_の時代は終わった。合わせ複層、LOW−E合わせ複層などユーザーの希望に合った商品を提案することだ。これらの商品は基本的に提案力がなければ売れない。異業種の人たち以上に技能、ノウハウ、知識を身に付け、互角以上に戦うことが将来へ向かっての発展の道だと思う。

(文章・写真はガラス建装時報社 or ガラス新聞社の記事の中から使わせていただいています)