2012.01.06. 板硝子業界新年御礼会


全国板硝子商工協同組合連合会(全硝連)近畿地区本部(尾下一雄本部長)、関西板硝子卸商業組合(綾部欽一理事長)、関西板硝子工事協同組合(横尾道男理事長)の3団体は1月6日、大阪市北区の新阪急ホテルで合同の新年互礼会を開催。来賓の板硝子協会、大阪府鏡工業協同組合、大阪板硝子鏡加工組合、板ガラスメーカー、ガラス二次メーカー代表らを含め104人が出席し、新年の門出を祝った。

 主催者を代表して挨拶した尾下全硝連近畿地区本部長は「日本では外国企業との競争に勝てず、海外へのエ場進出がますます増えているが、10年先、20年先を見つめる経営方針を立ててほしい」と呼び掛けた。
 来賓を代表して小垣敦洋日本板硝子ビルディングプロダクツ大阪支店長が挨拶。「本日ここにガラス業界の卸、工事、小売りの各団体が一堂に会している。メーカーも含め垣根を越えて全員で議論を尽くし、関西からガラス業界の発展のために情報発信をしていきたい」と述べた。
 渡辺聡雄関西工事副理事長が乾杯の発声を務めた。中締めの挨拶で綾部関西卸理事長は、住宅サッシの完成品化などでガラス・サッシ業界は大きな曲がり角にあると指摘。「商売、企業のあるべき姿の本質、何が大切なのかということを見極め、どの土俵で戦えば自分の企業が勝ち抜いていけるのかということを考え、皆で共に手を携えて頑張っていきたい」と語った。

 尾下一雄全硝連近畿地区本部長
昨年は東日本大震災で日本中が悲しみに耐え難い一年になった。今年は被災地の復興の一年になるはずだと考えでいる。福島県の原子力発電が止まり、各電力会社の原発が点検の時期を迎えて再稼働が難しくなり、この冬も節電を余儀なくされている。1446億円もの予算が付いて住宅エコポイントが再開し、二重サッシ、複層ガラスの入れ換え工事がしやすくなった。販売に労を惜しまず頑張りたい。
 世界に目を向けると、欧州のスペイン、ギリシャ、イタリアなどの国々で財政赤字が膨らみ、経済のまひ状態が続いている。日本も他人事とは思えない。気を引き締めて対応しなければ、大変な事態が巻き起こるのではないか。タイの水害では多くの日本企業が被害に遭い、経済に悪影響を与えている。
 日本では外国企業との競争に勝てず、海外への工場進出がますます増えているが、10年先、20年先を見っめる経営方針を立ててほしい。悪いことばかり並べたが、日本は今までいろいろな苦難を乗り越えてきた。批判ばかりでなく、対策を講じれば今年はきっと明るい光が差しでくると考えている。

小垣敦洋日本板硝子ビルディングプロダクツ大阪支店長
 私事だが、大阪に来る前はベトナムに勤務していた。ある方から現地での仕事の進め方として、「焦らず」「諦めず」「侮らず」の3つの心得を教えてもらった。限られた期間で結果を残さなくてはならないという思いが強過ぎると、最初から焦ってしまいうまくいかない。文化や生活習慣が違う土地で日本のやり方に固執すると、なかなか理解してもらえず諦めてしまう。「日本は先進国」という上から目線で見ていると失敗してしまうことが多い。この3つの心得を守ることが大切だとアドバイスされた。
 ガラス業界にはさまざまな困難があるが、先を見据えて焦ることなく前進し、新築の住宅着工戸数も頭打ちでビル需要も低迷しているが諦めることなく、住宅エコポイント制度が再開したからといって「これがあるから大丈夫」と侮ることなく、皆ざんと一緒に前に進んでいきたい。
 大阪都構想を掲げて橋下徹大阪市長が誕生し、大阪から日本の政治を変えようとしている。本日ここにガラス業界の卸、工事、小売りの各団体が一堂に会している。メーカーも含めて垣根を越えて全員で議論を尽くし、関西からガラス業界の発展のために情報発信をしていきたい。

綾部欽一関西卸理事長
 今年はたつ年。たつのにらみ付ける目のすごさは、八方にらみという。われわれの業界は非常に大きな変化を遂げようとしている。住宅エコポイントはあるが、サッシの完成品化などいろいろなことがあり、大きな曲がり角になっている。商売、企業のあるべき姿の本質、何が大切なのかということを見極め、それぞれがどの土俵で戦えば自分の企業が勝ち抜いていけるのかということを考え、皆で大きな目を見開き、共に手を携えて頑張っていきたい。

(文章はガラス建装時報社 or ガラス新聞社の記事の中から使わせていただいています)